2025年11月、産業建設委員会の行政視察として、茨城県水戸市、栃木県足利市、宇都宮市の3市を訪問しました。 日田市が直面している「世界遺産登録への挑戦」と「水道事業の持続可能性」という2つの大きなテーマについて、先進地の事例を直接学び、意見交換を行ってきました。
1. 近代日本の教育遺産群:水戸市・足利市
日田市(咸宜園)と共に世界遺産登録を目指す、水戸市の「弘道館」と足利市の「足利学校」を視察しました。
- 水戸市「弘道館」:SNS発信と地域回遊の工夫
水戸市の象徴である「弘道館」は、SNSによる発信強化により来場者数が着実に伸びています 。施設単体での採算よりも、路線バス乗り放題切符による優待や周辺飲食店との連動など、街全体を回遊させる仕組みづくりを重視されており、非常に参考になりました 。 - 足利市「足利学校」:市民が誇り、活用する場
日本最古の学校として知られる足利学校では、地元の小学生が一生懸命に清掃活動に励む姿に感銘を受けました 。15億円もの費用(その多くが市費)を投じて丁寧に復元された施設は、今も「学びと文化の場」として、論語の素読や雅楽コンサートなど、年間を通じて市民が楽しく集える工夫が凝らされています 。
2. ウォーターPPPの導入検討:宇都宮市
水道事業を将来にわたって維持するため、官民連携の新方式「ウォーターPPP」を検討している宇都宮市を訪問しました。
- 日田市の規模に見合った「官民連携」の形を 宇都宮市は上水道と下水道を切り離しての民間委託を検討していますが、これは大規模自治体ならではの選択でもあります 。日田市の規模において同様の分離発注が効率的なのか、あるいは一体運用が望ましいのか、慎重な見極めが必要であるという課題を強く認識しました 。
- 地元企業の参入機会を守る 特に重要なのは、災害時に迅速な復旧を支えてくれる、日田の地理を熟知した「地元業者」の存在です 。大規模な包括委託によって地元企業が置き去りにされないよう、大手と地元のJV(共同企業体)などの工夫を、発注条件に盛り込むことが不可欠だと感じました 。
視察を終えて:日田の強みと今後の課題
今回の視察では、水戸市・足利市の担当者から日田市の「咸宜園の日」制定や「こどもガイド」育成といった独自の取り組みが高く評価される場面もありました 。こうした互いの先行事例を認め合い、学び合える関係性は、四市連携の大きな強みです 。世界遺産登録を目指す四市(水戸・足利・備前・日田)が、地理的距離を克服していかに「一つの物語(横串)」を紡いでいけるか 。そして、市民生活の基盤である水インフラをいかに守り抜くか。
今回の学びを、これからの市政にしっかりと活かしてまいります。




