2025年12月 第4回定例会 一般質問 日田の未来を創る拠点づくりを問う ― 図書館と駅舎の利活用について

  1. 公立図書館の在り方について
    淡窓図書館は開館から37年が経過し、施設の老朽化と多様化するニーズへの対応が急務です。私は5年前からこの問題を指摘してきましたが、ようやく開催された「市民検討会議」の進め方には大きな疑問が残ります。

質問のポイント
①図書館の在り方検討市民会議

議論を整理するファシリテーターが不在で、公募を含め、会議に参加した方の意見をどのように合意形成していくのか、という点が欠落していました。
視察先は、検討委員会の声から決定したものではなく、内部協議をもとに、日田市の意向に沿ったものとなっており、会議に参加した委員からは他の図書館も見て見たかったという声があがっていました。また、「未来の図書館の役割」という理想を語る場(総論)なのか、「建物の長寿命化(修繕)」という現実的な話(各論)なのか、着地点が見えないまま議論が続けられました。
②報告書作成の遅れ
議論終了から報告書の作成まで数ヶ月を要した理由を、市は「誤字脱字の確認を丁寧に行っていた」と説明。スピード感のなさを露呈しました。

市の答弁(教育次長)
理念を固めるために丁寧な校正を行った。今後はこの報告書をもとに具現化を目指す。
報告書の作成について、時間がかかってしまったことや市民参加の検討会議の方向性が定まらなかった点については反省している。

【髙倉の視点】
せっかく市民を巻き込んで開催した会議が、抽象的な「基本理念」のとりまとめで終わったことは、極めて残念でした。専門家による適切な導きもなく、議論が理想論なのか修繕計画なのかも曖昧なままでは、真の意味で「地域を代表する拠点」はつくれません。
他自治体(伊万里市や山陽小野田市など)では、市民が自発的に運営やイベントに関わる「市民参画型」の成功例が多くあります。単なるハコモノの維持管理(長寿命化)で終わらせるのか、街を変える文化拠点にするのか。市には明確なビジョンとスピード感が欠けています。市民の皆さんが「私たちの図書館だ」と胸を張れる場所にするため、今後も厳しく提言を続けます。

  1. 日田駅舎2階の利活用について
    令和6年3月の前契約終了後、活用されない「空白期間」が続いています。市の計画の甘さや見通しの不透明さを質しました。

質問のポイント
①空白期間の是非
契約終了から現状回復工事完了(9月)までに時間を要した経緯と、その間の妥当性を追及。
②今後の不透明さ
現在は市がJR九州と1年単位の契約を結んでいるが、具体的な活用案が固まっていない現状。
③柔軟な活用の欠如
「進撃の日田フェスタ」等のイベント時に、一時的なブースとして活用するなどの柔軟な発想はなかったのか。

市の答弁(総務企画部長・市長)
現状回復の猶予やJRとの調整により時間を要したが、手続等に落ち度はなく、計画の甘さは無かった。現在は観光協会が利活用する方向で協議中であり、早期利用を目指す。

【髙倉の視点】
執行部は日田駅を「市の象徴」であり玄関口であると答弁してきましたが、現状は活かされていません。今後、再整備に多額の税金を投じる可能性もあります。民間との感覚のズレを埋め、貴重な公有資産を無駄にしないよう、スピード感のある利活用を求めていきます。

今後の活動に向けて
今回の質問を通じ、図書館も駅舎も「市民の声をどう形にするか」というプロセスに大きな課題があると感じました。行政主導の形式的な検討や、時間の浪費に終わらせることなく、今後の施設の役割の検討、そして本当に必要な利活用なのかなど、引き続き現場の声を届けてまいります。