2021年6月19日(土)、中津江ホールにて、
第1回日田市公共施設の再配置検討に向けた上津江・中津江地区の合意形成〈住民ワークショップ〉勉強会を開催しました。
主 催:ひた未来まちそだての会
進行役:タカクラタカコ、藤原惠洋(ひたラボ助言者・九州大学名誉教授 建築学・まちづくり学・公共施設論・住民参画論))
議事録作成・連絡:タカクラタカコ
開催の背景と目的
・昨年開催した第1回自主的勉強会(住民ワークショップ)に聞き続き、中津江・上津江地区を対象に進展中の複数の事業「上・中津江高齢者福祉施設及びこども園整備事業」のこれまでの経緯をふりかえる。
・昨年7月豪雨被災が重なった以降の経緯をさらにふりかえる。
・事業主体は計画内容を地域の方々へわかりやすく説明し、理解を深める工夫をしてきたのか。
・住民の方々の理解や納得や合意形成はどのように行われてきたのか。
・以上を「見える化」しながら丁寧に振り返ることが、第2回自主的勉強会(住民ワークショップ)のたいせつな目的。
上・中津江高齢者福祉施設、および、こども園整備事業、の経緯の再確認
(お手元資料、および、スライド写真を随意利用しながら。必要項目はホワイトボードへ記入しながら。)
【1】今回の整備事業へ至る1990年代以降、日本国内での社会的経緯
・前提となる国の方針や日田市の方向性について。
・1990年代以降、国から地方自治体の公共施設管理運営を今後30%減少へ。
・平成の大合併。
・2005(平成17)日田市(1市2町3村)合併
・2016(平成28)日田市公共施設等総合管理計画。40年かけ公共施設面積30%を減らす。参考資料 日田市内の人口割で中津江地区が1人あたりの公共施設面積が一番多い。
・2021(令和3) 日田市公共施設等総合管理計画4.8%減少。当初の予定では7%減少が目標とされていた。
【2】今回の出来事をめぐる経緯の整理
・日田市から、上津江・中津江の振興協議会へ説明
・上津江・中津江の保育園の保護者会への説明
・それぞれに開催された住民説明会
・2021年3月議会に上程された事業の整理と減額修正された内容
・中津江振興協議会より提出された同意書の経緯
・2021年6月4日(金)に開催された中津江地区の住民説明会の内容の整理
(経緯の整理のまとめ)
・令和2年7月豪雨により中津江安寿苑が被災、急遽、日田市では高齢者福祉施設の移転先を変更せざる得なくなった。こども園と併せて、中津江ホールが建つ敷地内へ移転案が浮上。
・その際、事業主体の日田市は、具体的な計画案を出さないまま、ホール敷地内への各施設の移転について中津江村へ向けて合意をとりつけるというおおまかなものを提示。
・中津江振興協議会が、事業主体の日田市長へ提出した同意書には《施設整備に関する意見》として「いずれの施設整備についても、地元住民と十分に協議したう上で建設にあたること。特に、それぞれの施設利用者からの意見を丁寧に聞き、その意向を設計に反映させること。地域での協議状況や具体的な設計の概要、建設の進捗状況など施設整備に関する情報については、随時住民への周知を確実に行うこと。・・・」が付帯された。
・2021(令和3)6月 中津江地区住民説明会では、事業主体の日田市は、既存の中津ホールを解体したうえで、その敷地を各施設の移転先として使用を前提とした計画案を1案だけ提示。
・中津江住民は、事業主体としての日田市が提示した1案のみを示されただけ、の状態で理解を求められた。
・さらにそこでは、既存の中津江ホールをそのまま残すために必要な改修予算は7000万円と示された。旧来2000万円から大幅増額へ。
以上の経緯を聞いたうえで、本ワークショップの中、助言者であり公共施設、公共ホール建築学の専門家である藤原惠洋先生は
「1案のみしか示さない提示では住民が検討する余地が限られ、是非の判断が単純化され誘導的に過ぎる」、「日田市側の計画では、すでに中津江ホールが解体されることが折り込まれてしまっているが、その理由が明示されていない」「中津江ホールの改修費が突如増額して示されたが内容的には盛り込まれすぎ、当初予算で十分ではないか」と指摘。
自由意見交換(必要に応じ、専門家による助言や情報提示を加味しながら)
・住民全てが、今回の事業を理解しているのか?
・これまでの経緯がわからなかった。
・なぜ、3月議会では実施設計費用を認めたのか。
・住民説明会の場や、それ以外でも、「早く施設を作ってほしい」という声を聞く。
・日田市は、A案(中津江ホールを解体)の他、B案(中津江ホールを残して活用する案)やC案・D案のようないろんな提案をしなかったのか。
・住民説明会での日田市からの説明はよくわからなかった。
・住民説明会で中津江ホールの改修費用が7000万円と言われた。そんなにかかるなら、解体したほうが良いと思った。
・A案(中津江ホールを解体)以外に、B案(中津江ホールを残して活用する案)やC案・D案を展開する中、あらためて中津江ホールがあることで、アートとケア(老人介護やこども園)のマスタープランをつくることができる。全国にはすでに先導的・魅力的な事例がある。
・被災前より良い施設ができるのか?
・行政は市民が意見を言うとすぐに「批判されている」と捉え身構える。だから自由に意見が言いづらい。
・今回の計画は、中津江ホールの解体以外にも、こども園や高齢者施設も居住棟とデイサービスについてどのようになっているのか、複雑でわかりづらい。
・中津江村が提出した同意書を取り下げることはできるのか?
・新しい施設があることで、近隣の小国町の利用者も期待できる。
・自然を生かしたものにできるのか。
・中津江ホールは日田市から年間200万円の維持費があるだけで、運営費用はない。
・中津江ホール改修費用の中に、空調全体を取り換える費用があがっているが、これは、全部の取り換えが必要なのか。
・中津江ホールの空調は一部だけ壊れているので、全部を取り換える必要はない。このほかにも雨漏りなど、修理が必要なところはある。
・日田市に上津江と一緒に説明会を開いてほしいと要求してきたが、地区別・個別にしか開いていない。
・上津江と中津江での説明が違っているところがあるのではないか。
・元々は、上津江・中津江~事業で進められていたのに、3月の議会では中津江だけの事業になっていた。
・この間、中津江は中津江で計画を進めて良いと説明された。
・上津江の住民の方々の考えも知りたい。
今後、自主的に勉強会を開催いくこととしました。