2025年3月 第一回定例会 一般質問

2025年3月定例会では、3つの重要課題について一般質問を行いました。

1,日田駅舎2階の利活用:市民参加と透明性のある次なる展開を
 日田市の玄関口である日田駅舎2階の利活用事業は、2019年にENTOとの5年間契約で始まりました。コロナ禍での困難もあったものの、駅前広場でのイベント開催など、中心市街地活性化に一定の成果を上げてきたと認識しています。
 しかし、2025年3月末での事業終了が報じられた際、市は「契約期間が5年のため更新しない」との説明でした。私は、自治基本条例に基づく公民連携事業であるにもかかわらず、事業者が継続を希望している中で、契約書のみを根拠に事業を終了することに強い違和感を覚えました。
 そこで、事業の多角的な評価(駅前広場との相乗効果、商店街連携、公民連携の効果、そして特に人材育成など)を求めた上で、事業終了に至った要因や課題の分析について質問しました。市からは、駅前広場の活性化には成果があったものの、人材育成の側面では、運営事業者の代表が交代し、当初の目的とは異なる結果となったため、課題が残るとの答弁がありました。
 私は、この答弁に対し、「代表が交代したことが、イコール人材育成が目的として達成されなかったという理解でよいのか」と問い質しました。さらに、「大学生との意見交換会や高校生主体のイベント開催など、ENTOが行ってきた様々な取り組みは人材育成に当たらないのか」と、代表者個人だけでなく、事業全体としての人材育成効果を評価すべきだと指摘しました。市は、事業主体としての課題は残るとしつつも、若い人の人材育成については一定の成果があったことを認めました。
 さらに、4月以降の駅舎2階の利活用について、市民が納得できる透明性の高いプロセスと計画を求めました。市からは、現在、公共性の高い団体と協議を進めている段階であり、詳細が決まり次第、予算措置を含め具体的に対応するとの説明がありました。私は、市民への明確な情報開示と、事業継続の可能性を十分に検討すべきだったと改めて提言しました。

2,日田市公共施設等総合管理計画:目標達成と持続可能な管理へ
 日田市は、公共施設の総床面積を40年間で30%削減する目標を掲げていますが、令和5年度末時点での削減率はわずか8.4%にとどまっています。この現状に対し、目標達成に向けた市の評価と具体的な改善策を質問しました。
 市は、施設の移管交渉の難航や廃止の見送りなどが遅れの要因であるとの認識が示されました。私は、人口減少・高齢化が進む中での地域移管の困難さを指摘し、市が具体的な提案をしながら地域と協議を進める必要性を強調しました。
 また、令和7年度に策定される第2期実施計画の方向性についても質問しました。施設の用途別整理や、都城市の図書館リノベーション事例、高知市の共同図書館「オーテピア」のような自治体を超えた施設利活用の検討を提案し、公共施設が市民にとってより長く、より使いやすいものとなるような計画策定を求めました。

3,移住定住対策:空き家バンクの活用と連携強化
 令和6年度から「ひた暮らしPR事業」が地域振興課から商工労政課に移管され、雇用対策・企業誘致との連携が図られています。移住のきっかけとして「仕事」だけでなく「住む場所」も重要であることから、空き家バンク事業の現状と課題、今後の取り組みについて質問しました。
 市は、空き家バンクの成約実績が示されたものの、特に旧郡部での登録数の少なさが課題であるとの認識が示されました。私は、空き家バンク事業を含めた移住定住対策における具体的な課題と、それに対する市の対策強化を求めました。
 今後の取り組みとして、移住応援給付金の追加や地元企業・子育て環境の情報提供強化に加え、令和7年度から空き家バンク事業が建築住宅課に移管されることが報告されました。私は、事業評価を徹底した上で、より効果的な事業運営と他部署との連携強化を要望しました。