地場産業の支援と未来への「種まき」を問う ― 振興センター解散と関係人口創出について
今回の一般質問では、40年余り続いた「日田玖珠地域産業振興センター」の解散と、国の新たな戦略である「ふるさと住民登録制度」の2点について、市の姿勢を質しました。
一般質問の項目
1,日田玖珠地域産業振興センターの解散と今後の地場産業支援について
①解散決定の経緯と納入業者に対する周知と説明の状況
②地場産業の振興拠点としての役割および実績の検証
③センター閉鎖後の販路開拓支援と相談窓口の体制確保 ほか
④市へ無償譲渡される資産の管理と今後の具体的な活用方針
2,「ふるさと住民登録制度」の推進と関係人口の創出について
①二地域居住の促進に向けた制度導入の検討状況と今後の見通し
②ふるさと納税寄付者を「関係人口」へ繋げるステップアップ戦略
③「ふるさと住民」による地域活性化や産業への参画を促す仕組みづくり
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1.日田玖珠地域産業振興センターの解散と今後の地場産業支援
1982年の設立以来、地場産業の振興を担ってきたセンターが、去る3月末をもって40余年の歴史に幕を閉じました。収益の柱であった「ふるさと納税事業」の委託先変更など、市の方針転換が大きな引き金となった事実は否めません。そのプロセスと今後の支援体制について質しました。
質問のポイント
①解散決定の経緯と納入業者に対する周知と説明の状況
250社を超える納入業者に対し、事前の説明会もなく、1月下旬のハガキ1枚や新聞報道で解散が周知された事実は、あまりに不誠実だったのではないか。
②地場産業の振興拠点としての役割および実績の検証
「役割を終えた」との判断があるが、これまで担ってきた販路開拓やバイヤーとの商談機能、後継者育成等の実績を市はどう総括しているのか。
センター閉鎖後の販路開拓支援と相談窓口の体制確保解散により即座に販路を失う業者に対し、具体的な支援体制(伴走型支援や専門チームの構築)は整っているのか。
④市へ無償譲渡される資産の管理と今後の具体的な活用方針
中心市街地の貴重な資産を「内部検討」だけで進めるのではなく、新たな賑わいや産業支援の場として、市民の声や外部のアドバイスを求めるべきではないか。
市の答弁(農林商工部長)
各団体が所属する理事会で協議を重ねてきたため、団体内での情報共有はなされていると判断し、業者への個別説明会は行わなかった。今後はビジネスサポートセンターを軸に、商工団体と連携した新たな支援を構築する。施設活用は、まずは市全体として公務での活用策を検討し始めたところである。
【髙倉の視点】
40年、共に歩んできた業者に対し、市長が理事長を務める組織が「直接会って説明する場」を設けない。この「組織間の合意さえあれば良し」とする行政の論理と、現場の切実な思いとの乖離を強く感じました。
また、施設の利活用についても、前回の駅舎2階の質疑と同様に「まずは内部検討」という言葉が出ましたが、行政が検討を繰り返している間にも街の活力は失われます。民間感覚を取り入れ、地場産業の支援や新たな活用をスピーディに進めるべきです。
2.「ふるさと住民登録制度」の推進と関係人口の創出
人口減少社会における新たな戦略として、住民票は移さずとも地域を支える「関係人口」を可視化する国の新制度に対し、日田市の参入姿勢を質しました。
質問のポイント
①二地域居住の促進に向けた制度導入の検討状況と今後の見通し
国が募集したモデル事業になぜ応募しなかったのか。研究している間に、先行自治体に関係人口の獲得で遅れをとる懸念はないか。
②ふるさと納税寄付者を「関係人口」へ繋げるステップアップ戦略
単なる「寄付者」を、日田を応援する「ふるさと住民(準市民)」へと深めていくための、委託業者(スチームシップ)等と連携した戦略はあるのか。
③「ふるさと住民」による地域活性化や産業への参画を促す仕組みづくり
祭りの担い手、林業・農業への参画、また「進撃の巨人」ファンなど、外部の力を地域の課題解決に繋げる具体的な動線を描くべきではないか。
市の答弁(農林商工部長・市長)
詳細な運用や費用対効果を見極めるため、今年度のモデル事業への応募は見送った。令和9年度からの導入を目指し、令和8年度に準備を進める。市長が持つネットワークや大学との繋がりを最大限に活かし、若者の意欲を日田で形にできる仕組みづくりに努めたい。
【髙倉の視点】
魅力的な自治体はすでに動いています。
日田には「進撃の巨人」ファンや、前津江・上津江などでの熱心な地域活動といった素晴らしい受皿があるのに、「他市の事例を研究する」と立ち止まるのは実にもったいないと感じました。
「がっかりさせない体制が整ってから」という行政の論理も理解できますが、今は外部のコミュニティと共に試行錯誤しながら、日田を「第二のふるさと」と呼ぶ人を増やす挑戦を急ぐべきです。
今後の活動に向けて
今回の質問を通じて見えたのは、産業振興センターの閉店・解散プロセスにおける配慮不足と、新制度という「未来への投資」に対する消極的な姿勢でした。
もちろん、「市民参画」を真に機能させるためには、行政に頼り切るのではなく、主体性を持って行動する市民自身が育つことも不可欠です。私自身も、自ら学び、動き、市民のみなさんとともに成長していきます。
行政主導の形式的な検討で時間を浪費させるのではなく、現場の声を確かな政策に変え、日田が今掴むべきチャンスを一つひとつ形にしていきます。
