会派視察 2020,11,05

今年度は、市外・県外への視察の実施は難しく、日田市議会でも、各委員会で行う行政視察は中止し予算を削減しました。
市政クラブでは、春から会派視察を検討してきましたが、今年度は市内の視察を中心に行うこととし、2020年11月5日(木)、中津江振興局と日田玖珠広域消防組合にそれぞれ伺いました。

中津江振興局では、魚形振興局長に当時の振興局の動きや住民の様子、災害発生時の様子などを説明してもらいました。
こまれで、議会でも随時報告は受けており、災害状況や避難の現状などは把握していましたので、さらに詳細を確認していきました。
また、現在の地区内の道路状況については、復旧できているところと、これから復旧していく予定だが、もう少し時間がかかる状況など、地図と写真を組み合わせながら、確認することができました。
中津江振興局の職員の他、住民自治組織「中津江むらづくり役場」の永瀬事務局長にも当時の様子や住民自治組織としての活動について伺いました。
元々、振興局の職員数が潤沢でないことに加え、主要道路や通信網の寸断もあり、災害状況の確認や避難所開設から運営、住民の安否確認、災害対策本部とのやり取りなど、全てを行うことは非常に困難となりました。
その際、住民自治組織が、住民の安否確認や物資の配布、道路状況を紙媒体にまとめ配布するなど、振興局をフォローする形で連携をとることができたとのこと。
このほか、デマンドバスが運休したこともあり、「中津江むらづくり役場」がカーシェアリングを利用して、通院サポートや薬の配達を行ったとのこと。
日頃から、職員と住民自治組織の繋がりを作っておく必要があると改めて感じました。

中津江振興局での視察終了後、鯛生金山のレストランで昼食をとりました。
ものすごく大きなむかごが売店にありましたので、購入しました。

午後は、日田玖珠広域消防組合に移動し消防署の見学と、現在、日田玖珠広域消防組合が令和6年度に向けて大分県内で協議している「新大分県消防広域推進計画」について伺いました。
まずは、消防署内を見学。この建物は、平成28年(2016)に移転し稼働。日田玖珠管内から119番通報は、まずはここに届きます。ここで、どういう状況か、どこの場所から発信されたものかを素早く判断し、現地へ向かう指令を出します。職員が本番さならにシミュレーションを行ってくれました。また今年から導入されたNet119緊急通報システム。まだ、登録者数は少ないとのことですが、通常の119番通報が困難な方には便利なシステムです。
このほか、仮眠室や出動準備室などの見学をしました。
見学後は、日田玖珠管内や大分県の現状について、さらに現在、協議している「新大分県消防広域推進計画」についての話を伺いました。
過去三年間、火災件数には、大きな変化はありませんが、救急件数は、2018年までは増加傾向にありました。しかし、2019年が冷夏だったことや2020年はコロナ禍で外出を控えたことにより熱中症などの件数が減少したことで救急通報も減少したのではないかとのことでした。
一方で、今後、どうなるか予想が困難な新型コロナウイルス感染症に対して、防護服を準備するなど対策をとっています。
新大分県消防広域推進計画とは、大分県内の消防システムを統一し、消防指令センターを大分市に設置し、通報があった該当地域へ出動命令を出すというものです。
人口減少や高齢化に加え、システムを統一することでの財政負担の軽減、さらに今後予想されている大規模災害への対応が求められる中、令和6年(2024)からの運用開始を目指し、協議を進めているとのこと。
システムを統一し、消防指令や現地への対応がよりスムーズにできるよう、合理化しながら、かゆいところまで手が届くような取り組みに期待します。

Net119緊急通報システム
Net119緊急通報システムは、音声による119番通報が困難な聴覚・言語機能障害者が円滑に消防への通報を行えるようにするシステムです。
スマートフォンなどから通報用Webサイトにアクセスして、消防本部が消防隊や救急隊をどこに出動させるべきかを判断するために必要な「救急」「火事」の別と、通報者の位置情報を入力すれば、即座に消防本部に通報が繋がり、その後にテキストチャットで詳細を確認する仕組みとなっています。