水資源対策議員連盟研修会
令和三年三月に完成した高瀬川分水路整備事業について日田市環境課および土木課による勉強会が行われました。
【高瀬川分水路整備事業の前の知識として、日田市の水量増加運動について】
日田市の水量増加への市民の活動は、1973年まで遡ります。
1963年6月(昭和二八水害)の大洪水により、松原・下筌ダムの建設計画が進みました。
1973年6月に三隈川の日田市街地と夜明ダムの中間地点 日田市内川野柳又に柳又発電所(ダム・水路・調整池式)が建設され、大山川の全流量を大山川堰堤で取水しました。
それにより大山川・三隈川の流量はかなり減少し、アユ漁や水辺風景にも大きな影響が出来ました。
この現状から筑後川の河川環境を改善する水量増加運動に取り組み始めます。
1992年11月には日田青年会議所主導により「ひた水環境ネットワークセンター」が結成。
リバーフェスタin三隈川や洗濯キャラバン、台霧の瀬づくりプロジェクトなどにより、市民へと運動が広がっていきます。
1998年5月日田市が自治会連合会や商工会議所、観光協会、内水面漁業協同組合、建設業協会などと一緒に「三隈川の水量増加実行委員会」を結成。
同年7月には大山町が「大山川水量増加実行委員会」を結成。
1999年9月22日 水量増加を求める市民総決起集会が開催され、水量増加を求める署名(40,681名)が提出されました。
【高瀬川分水路完成まで】
今回の研修は、ここからが本題です。
2003年(平成15年)に高瀬川の清流を取り戻す会が発足。
2005年(平成17年)清流バイパス建設の要望書が会から日田市、そして大分県へ提出。
2007年(平成19年)水郷ひた再生委員会発足。
2009年(平成21年)日田市長・日田市議会議長・水郷ひた再生委員会会長より要望書「水郷ひたの清流復活を目指して」が大分県・九州電力㈱・筑後川河川事務所・筑後川ダム統合管理事務所へ提出されました。
この要望内容に「高瀬川ダムの水質改善に協力すること」があげられました。
さらに、2013年(平成25年)に高瀬川ダムの清流バイパス設置を含む要望書が提出。
2016年(平成28年)水郷ひた清流復活市民大会が開催され、高瀬川清流バイパス設置が決定します。
そして、2021年(令和3年)3月に高瀬川の水質改善対策としての清流バイパス工事が完成。
★高瀬川分水路整備事業の目的
高瀬川の清流を高瀬川ダム下流域に直接流すための施設で、高瀬川の河川環境の改善および下流域の振興を図るものです。
地域住民をはじめ、国や県、九州電力㈱、日田市など、様々な方の協力があり、完成までたどり着きました。
今後は、清流復活に伴う賑わいの創出なども期待されます。